湯河原温泉 藤田屋に宿泊

国有形文化財の藤田屋 露天風呂付客室に泊まる

湯河原は小田原と熱海の間にある町で、古くから温泉地として有名である。

ふるさと納税で温泉宿泊券を申し込んだところ、湯河原梅林の「梅の宴」の招待券をいただいたので、温泉旅館に宿泊して梅林を見に行くことにした。

宿泊した2022年2月までは、中学生未満の宿泊ができなかったため、大人の宿として落ち着いた雰囲気で露天風呂が楽しむことができた。

なお、2022年3月以降は、本館2階以外を除いて中学生未満の宿泊ができるようになっている模様である。

藤田屋露天風呂
藤田屋露天風呂付客室

藤田屋では露天風呂付客室を予約した。露天風呂は2人で入っても余裕のある大きさで、源泉がかけ流しで楽しめる。

源泉は66.9℃もあって温度が高いので、加水してちょうどいい温度に自分で調整できる。

藤田屋の温泉櫓
藤田屋の自家源泉(温泉櫓)

客室露天風呂付のお部屋からは、有形文化財の藤田屋と温泉櫓を望むことができる。

お部屋の露天風呂の泉質は「ナトリウム・カルシウムー硫化物・塩化物温泉」で、pH8.4の弱アルカリとなっている。温泉は低張性なので肌に優しく、長く入ることができる。

美肌効果ありと一般的に言われているメタケイ酸は62.0mg/Kgとなっている。最も、医学雑誌によると、メタケイ酸を含む温泉を飲んだ場合、消化管からのアルミニウム吸収を抑制し、腎排泄の促進とコラーゲンの合成促進、爪、肌、髪の脆化防止に効果ありとされているので、温泉に入るだけでは効果が得られないと思われる。

髪が非常に気になる年頃なので、飲めるのであればバケツ一杯飲んでみたい。

露天風呂の成分表
和室

お部屋は和室で、夕食後にお布団を敷いてもらい、朝食後に布団が片づけられる昔ながらの旅館である。

部屋のベットでごろごろしたい方や、お部屋にあまり立ち入ってほしくない方は、和室であることを理解して宿泊することをお勧めする。

夕食はお部屋で懐石料理を食べる。予約の際、2つのコースから料理を選ぶことができるが、山海の幸たっぷり 贅沢な本格季節会席を今回は選択した。

先付はアスパラ豆腐、前菜は烏賊と胡瓜の和え物、ミニ大根からすみまぶし、干柿かぶら鳴門巻、南瓜羊羹、牛八幡、造りは鮪、北寄貝などとなっている。

先付、前菜、造り
御椀

御椀は薄氷大根、黒胡麻豆腐、人参、芽無、柚子、清汁仕立となっている。

如月の献立に載っていないが、御椀の次は鮑のバター焼が提供された。うれしいサプライズなのだが、旬が7~9月の鮑はあまり好きではない食材なので、高級食材ということで提供するのではなく、2月であればヒラメや金目鯛などの自然の恵みの提供があるとさらに満足度が高まりそう。

焼物

焼物は白子グラタンが提供された。

蒸し物

蒸し物は甘鯛かぶら蒸しが提供された。外側はサクサクのパリッとした食感で、甘鯛の風味が感じられる一品で非常に美味。

酢の物と和牛しゃぶしゃぶ

続いて、酢の物のわかさぎ南蛮漬けと強肴の和牛をしゃぶしゃぶで食べる。

仲居さんが、火が消えたら燃料を追加しますと細かく気を配っていただき、時々燃料の残り具合を気にしてくれるので、安心して食べることができた。

白米の山形つや姫と香の物、赤だしのお味噌汁をしゃぶしゃぶと一緒に食べる。白米はふっくらした美味しいお米で、本来大豆、食塩、水だけを原料に作る赤だし味噌は渋みと苦味を抑えた美味しい味噌が使われている。

朝食

翌朝の朝食では、海が近いので地場の干物を味わう。果物はオレンジとキウイフルーツとパイナップルが提供された。いちごのシーズンなので、伊豆や静岡のいちごが出ると満足度がより高くなるのでは。

藤田屋では、自家源泉を持っているのでお部屋の露天風呂もかけ流しで楽しめ、湯河原の肌にやさしい温泉を堪能できる。

夕食と朝食については、素材の質は高いものの、旅館の懐石料理としては一般的な味付けで、旬の食材を使った独創性のある料理と味付けの完成度を高めると満足度が高まり、コストパフォーマンスが良くなりそう。

2022年湯河原梅の宴

梅の宴は、2022年は例年より寒く、5分咲きとの案内となっていたものの、実際には1~2分咲きだった。高い山には雪が積もっているので、季節は初春というよりは冬に近く、雪と梅を同時に見ることができた。梅は寒苦を経て清香を発すとの言葉があるが、梅林では漢詩の通り、清らかでかぐわしい香りがしていた。

伊豆熱川温泉 奈良偲の里 玉翠

熱川温泉の奈良偲の里 玉翠宿泊に宿泊

熱川温泉は伊豆半島の伊東と下田の間にある温泉地で、温泉櫓から湯気が立ち上る風情のある素敵な場所で、人が少なくゆったりできる。

奈良偲の里 玉翠には一度泊まってみたいと思っていた。今回はふるさと納税の宿泊割引券があるので、露天風呂が2つもついている部屋を予約してみた。

JR東日本とJR東海の仲が悪いのか、新幹線から在来線特急への乗り継ぎ割引が廃止されてしまったので、今回は横浜からサフィールで伊豆まで移動する。サフィールは全席グリーン車とプレミアムグリーン車になっているので、きっぷの料金が高いのだ。100km未満と100km超では料金が大きく変わるので、横浜から伊東(約93km)までサフィールに乗って、伊東からは各駅停車で熱川を目指す。100kmでグリーン料金が大きく変わるため、1人2,000円以上節約できてしまう。

サフィール

奈良偲の里 玉翠は2時30分からチェックインできる。 宿泊予定の玉翠は、伊豆熱川駅からは送迎車で10分程度の場所にあるので、一番早い時間帯の2時25分の送迎をお願いした。到着すると 三つ指立ててお出迎えを受ける。慣れていないので目が泳いでしまう。丁寧過ぎて逆に気まずいかも。

泊まるお部屋は、離れの「室生」で客室露天風呂がなんと2つもある。 部屋からは和風庭園を一望できるが、ソファーが内向きに配置されているため、座ると外が見えない。せっかくの和風庭園があるので、ソファーは窓が見えるように置いてみては?

部屋の窓から和風庭園を望む
竹林と貸し切り露天風呂を望む

離れの「 室生 」は客室露天風呂があり、なんど源泉かけ流しで豊富にお湯が出ている。露天風呂は 檜と伊豆石の両方が堪能できるのだ。写真では小さく見えるが、2人で露天風呂に入っても余裕がある。

客室の露天風呂

源泉かけ流しは湯量が豊富にないと提供できない。当然だ。全部の部屋にお湯を送ると源泉が足りなくなってしまう。ここまでお湯が豊富に出ているとは思わなかった。湯量の豊富さはこれまで泊まった旅館の中でもNo3に入っている。お湯の温度も最適で、熱すぎず露天風呂に入ることができる。

寝室はベット

寝室はベットになっているので、いつもでごろんごろん転がって休める。「布団だと敷いてもらう間は落ち着かないので、洋室タイプの部屋がいいよね」とツレと話した。

露天風呂に入ってたら夕食の時間が近づいてきた。食事処に移動して夕食を食べる。食事処は個室のテーブルで食事することができるので快適。

先付けと食前酒

食前酒は梅酒。先付けは胡麻豆腐に菜の花、胡桃味噌、梅花芽が添えられて提供される。梅の花が咲きかけの1月に訪問したので、季節が感じられる一品だった。

お酒はワインを注文する。ツレはアルコールが飲めないのでソフトドリンクを注文した。健康診断の結果、肝機能の数字が高く医者から糖質制限を勧められてしまったことから、糖質の多い日本酒は選択できない。気のせいだと目を背けてきたが、豊満なお腹に向き合ってきた。糖質制限と自宅での筋トレを継続中なので、今回は赤ワインをグラスで注文した。

前菜

前菜は柳鰈の一夜干し。味は淡泊で旬の食材が提供される。

紡(つむぎ)

次は紡として、筍木の芽和え、鰆けんちん焼き、唐千寿、胡瓜岩石が提供される。 唐千寿 は干し柿にバターを挟んだ食材で、斬新な経験だった 。左の温泉櫓からは、ドライアイスが出るので熱川温泉の雰囲気を楽しめる。

お椀

お椀ははまぐり潮汁で、しっかりとした味わいのはまぐりを味わうことができる。

御造里

御造は伊勢海老、鮑、鮪と地魚が提供される。御造は伊勢海老から鮪に至るまで品質は超一級。特に伊勢海老はぷりぷりとした食感で美味。鮑の刺身は、実は苦手食材で好きな人が食べれば美味しいんだろうなという感じ。ブログを見ていると鮑の刺身が苦手という人が一定割合でいるようなので、高級食材の鮑より伊豆の地魚の刺身も選べるといいのではと感じた。

煮物

煮物は茶碗蒸しが提供される。茶椀蒸しは繊細で、海老、鶏肉、銀杏、椎茸などの具が一様に美味。ただし、餡かけのふかひれは個人的に中華スープのイメージが強く、茶わん蒸しに添えなくてもいいのではと感じた。

火物

鮑はお刺身だけではなく、踊り焼きでも楽しませてくれる。レモンとバターをお好みでかけて食べる。

止肴

止肴は、あん肝酒蒸、浸し菊、わかめを添えられたポン酢ジュレで食べる。あん肝は濃厚でまろやかな味わいで美味しい。

食事

金目鯛の握り寿司の水準は極めて高く、酢飯の食感が良く美味。量もちょうど良く、お腹がいっぱいになり過ぎず良かった。おひつで御飯を提供されると食べきれないので、握り寿司で提供されるところが気を使わなくてもよい。

デザートは薩摩芋ムースと白玉ぜんざいを食べてフィナーレを迎える。食材の鮮度が抜群で、高い調理技術を感じることができる。

朝食

翌朝の朝食は和食と洋食を選択できる。糖質制限中なので、パンではなくおかゆの和食を選択した。

干物

伊豆半島の定番、干物も朝食で味わうことができる。

お味噌汁

昨日の夕飯に食べた伊勢海老の頭は翌日の朝食で味噌汁として提供される。伊勢海老のだしが出て美味。

2022年は、奈良偲の里 玉翠の紹介からスタート。かけ流しの露天風呂と旬の食材を楽しめ、充実した休日を過ごすことができた。

お部屋の源泉かけ流しの露天風呂や、部屋からの眺望は満足度が高い。今回は金額の高いプランを選択したため鮑が刺身と踊り焼きで提供されたが、苦手食材のため、他の食材も選べると満点に近い評価になりそう。

また訪問したいと思うお宿でした。